サトウキビ畑のカニア

この度、私が挿し絵を描かせていただきました児童小説
「サトウキビ畑のカニア」が

只今全国の書店にて好評販売中です。〔くもん出版刊〕

【子どもと大人が共有できる新しい児童文学】
フランスと日本の海を越えて約1年の時間をかけた
コラボレーションで完成した一冊なので、かなりの
思い入れはありますが、、、
児童はもちろん、遠いあの日を思い出したい
大人の方に読んでいただける本になっていると、
そう思います。

【作品舞台について】
主人公ジョエルが住んでいるグアドループは、カリブ海東部にある小アンティル諸島の中に位置するフランスの海外県です。グアドループの総人口は約43万人。グアドループ島は、アメリカ大陸を発見したコロンブスによって1493年に発見されました。この一帯の島々は、かつてスペイン、フランス、イギリス、オランダで所有権が争われ、また植民地としてサトウキビやバナナ、コーヒーなどの農産物生産のため、奴隷や移民等多くの労働力を要した歴史があります。「グアドループ」という名前は日本ではまだ知らない人も多いでしょうが、サッカーのワールドカップ・フランス代表チームのティエリ・アンリ選手とリリアン・チュラム選手は、グアドループ出身です。

【あらすじ】

自らの人種的な悩みや孤独、両親との意思疎通に欠く10歳の少年ジョエルが、偶然サトウキビ畑で見つけた子犬と、その子犬を通してクラスの女の子リザとの友情を深めていくというストーリー。現代の日本からすると、グアドループはひと昔もふた昔も前の生活が息づいている島ですが、しかし、そんな風土にあってもそこで暮らす子どもは、日本の子どもとも共通する問題を抱えていることが分かります。と同時に、そんな風土や人間関係だからこそ、今の日本の子どもたちや大人たちが、忘れかけていたり、喪失してしまっている大切なものが、この作品には描かれています。


フレデリック・ピション:作 ダニエル遠藤みのり:訳 H.Utsumi:絵
読者対象:小学上級から 造本:四六判・上製・192ページ(予)
定価:1365円(本体1300円) 2004年6月 くもん出版刊


                     平成16年7月吉日
                                        弦馬

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